江北図書館文庫とは
滋賀大学経済経営研究所<士魂商才館>(彦根市)において保管されている史資料を一括して「江北図書館文庫」と称しています。
「江北図書館文庫」検索
資料と図書
https://mokuroku.biwako.shiga-u.ac.jp/kohoku_down
江北図書館文庫の利用規則
※利用を希望される方は「江北図書館文庫利用規則」に従ってご利用願います。
資料の概要
江北図書館収蔵庫(移動前) △資料の内訳
(1)江戸時代以降の和装本(4,282点)
(2)明治・大正時代の洋装本(5,319点)
(3)伊香郡役所文書などの一次資料(2,196点)
△保管の状況
(1)和装本および資料は文書箱に入れて,貴重書庫に収蔵
(2)洋装本は全て可動式棚に開架
△検索システムとデジタルアーカイブ
滋賀大学経済経営研究所のHP
(https://www.econ.shiga-u.ac.jp/ebrisk/)
(1)古文書:「蔵書検索」より資料目録のダウンロードが可能
(2)和装本:「デジタルアーカイブ」より表題検索と画像データのダウンロードが可能
△伊香郡の図書文化
『浅井三代軍記』(全15巻)
(1)和装本
・伊香郡の人々の読書文化の高さがうかがえる内容
① 歴史:『大日本史』,『群書類聚』,『浅井三代軍記』など
② 漢籍:『史記』,『資治通鑑』,儒学のテキストなど
③ 農業:宮崎安貞・貝原楽軒『農業全書』(再版),大蔵永常『農家益』,同『広益国産考』など
(2)洋装本
・社会科学,自然科学,文学,古典(復刻版),教科書,洋書(英・仏・独),辞書,百科事典,逐次刊行物など
・これらの蔵書は図書館で購入したほか,前身の「杉野文庫」の蔵書に加えて,個人・大学・府県庁・出版社・個人・外国人等200者以上からの寄贈図書等を含む
(3)伊香郡の歴史を語る資料
① 伊香郡役所文書
明治12(1879)年から郡制廃止の大正15(1926)年までの郡政全般(郡長引継書・郡報8~17・郡会・郡報・学事・教育・財政・勧業・統計・戸籍・租税・災害・救恤・選挙・軍事・衛生・皇室・寺社・郡長引継、往復など)を網羅している資料群
*「郡制」に関する資料は行政機関の統廃合により廃棄されたものが多く,全国的にも残存が極めて少ない。また、内容がこれほど多岐にわたっている郡役所文書は稀有である。
【伊香相救社文書「相救社創立願書」(342)】② 伊香相救社文書
・明治14年2月設立「相救社創立願書」
・窮民救済や風水害火災罹災者救済,育英事業,医療事業などを目的とした社団法人, 郡内の約9割の世帯が加入
・数多くの社会事業を実施してきたが,昭和40年代後半に活動を休止
・平成18年12月公益法人制度関連法案成立に伴い平成23年3月に解散,残余財産を江北図書館に寄附し130年の歴史を閉じた
*現代日本の地域における自主的な相互扶助組織の先駆け
*100年以上にわたる膨大な活動記録(設立趣意書・出資金の帳簿類・証書・書簡・救済事業の詳細等)は近代化の過程における地方社会事業の歴史を知る大変貴重な資料といえる
③ 『近江伊香郡志』関係資料
・大正11年9月に「郷土史編纂会」設立
・目的:「伊香郡の歴史に関する書籍を出版することで県史編纂事業に寄与するとともに,地方文化の啓発にも資する」
・木之本実科高等女学校にて展覧会を開催し郡民の郡志編纂に協力要請
・昭和22年11月に編纂会設立25年を経て苦難のすえ脱稿したが,戦争直後の混乱のため出版は不能
・編纂会会長および編纂員の死去により,出版を見ずに編纂会は瓦解に瀕すが,新会長, 戦後の新資料を収集・増補、及び雨森芳洲の項を補追し,昭和27 年11月に 刊行
*『近江伊香郡志』は学術的にも高く評価される内容であり、地方史編纂事業の過程を知ることができる資料。民俗学者の柳田國男はその完成度の高さを賞賛
【伊香郡内絵図「近江国伊香郡木本村字引全図」(49)】
④ 伊香郡内絵図
・明治初期から中期にかけて作成された所有地の境界・用途区分・地番などを 表記した大判の地籍絵図
・地租改正を受けて作成された「地券地引絵図」や、内務省主導による「地籍全図」(村全域の「一村全図」及び村内大字毎の「字限図」)等
・絵図は木之本村はじめ伊香郡内全13ヵ村のほぼすべての字を網羅
*いずれも用途に即して彩色されており、村境及び土地区画がどのように確定されて いたのかを視覚的に理解することができる。
⑤ 江北銀行文書
・江北銀行の株主名簿。
・江北銀行は明治21(1881)年に設立され、郡内最大の銀行として滋賀県北部および敦賀を中心に営業していた。
・昭和4年江北銀行および伊香銀行は長浜銀行と合併、湖北銀行とし、昭和18年滋賀銀行に合併
*伊香郡の資産家の実態について知ることができる貴重な資料である。